八幡屋礒五郎の《七味唐からし》は、辛味を出すための唐辛子、辛味と香り両方を併せ持つ山椒・生姜、風味と香りの良い麻種・胡麻・陳皮・紫蘇の七つ。辛味と香りの調和のとれた独特の味わいが特徴です。
《七味唐からし》は、風味が信条の素材で作られた食品です。しかし残念ながらその風味は、開封して空気に触れた瞬間から徐々に落ちていくもの。少しずつ購入し、開封後は早めに使い切ることで、その風味を守り、最後まで美味しく召し上がっていただくことができます。そのため、迷われているお客様には、小袋をお薦めしています。卸売りや通信販売などで供給地域が広がった今も、味を第一に考えるこの姿勢を忘れることはありません。
近年、八幡屋礒五郎《七味唐からし》の原料は、その多くを県外産や輸入に頼っていましたが、原点に戻り、長野県産唐辛子の生産に着手いたしました。今後は長野県産の原材料をより多く使用することで「信州の七味唐からし」としての魅力をさらに高めていきたいと思います。
《七味唐からし》の命ともいえる蕃椒(唐辛子)は常に厳選された素材を使用。焙ることでその辛味と風味は増してきます。唐辛子の辛味成分は、カプサイシンやジヒドロカプサイシンなどの化合物。辛味が、唐辛子の食品としての価値であり、スパイスの中で最大の需要を得ているのも、辛味あってこそです。
その辛さやさわやかな芳香が欠かせない白薑(生姜)。辛味成分はジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオール。芳香成分は、ジンギベレンを主としてαー・βーピネンやαークルクメンなどの精油です。
紫蘇の味と香りは、魚、肉をはじめ野菜や穀物とも相性がよく、そのものの味を引き立てます。芳香成分は、ペリルアルデヒドを主に、ピネンやリモネン。
紫蘇の葉はビタミンCやミネラル、鉄、カルシウムも多量に含んでいます。
青いうちに手作業で丁寧に収穫した果実を乾燥させ、種を取り除き果皮だけから作った山椒は、辛さと共に香りの高い山の風味にあふれています。
この辛味の成分は、α、βおよびγーサンショオール、サンショアミド、ラニオールなど。香りの成分は、シトラネール油、ティペンテン、フェランドレン、オイゲノールなどの不飽和アミド。果皮だけでなく花房・若芽・葉・樹皮にもこれらの成分が含まれています。
温州ミカンの成熟果実を乾燥したものです。リモネンなどの芳香に富む精油成分を多く含みます。
品質の良い油成分を含んだ胡麻は、七味唐からしのおいしさの決め手。その香ばしさが唐辛子の辛味を和らげます。胡麻の種子は、50%ほどが油で、20%前後がたんぱく質。カルシウム、鉄なども多く含みます。
「麻種を製粉できれば一人前」。そんな逸話が残されている麻種は風味、香りとも胡麻に引けをとらない優れた食材です。たんぱく質や脂肪(リノール酸、リノレン酸、オレイン酸など)と、ミネラルのリンや鉄が多く含まれています。
※《輸出用関連商品》については、麻種を一切使用しておりません。