四連休明け。すっかり静けさを取り戻した本店です。
連休に大勢のお客様をお迎えして、たくさんの笑い声や足音を吸い込んで来た本店の入口もぽっかりと口を開けて大きな欠伸をしているかのようです。
皆様を安心してお迎えしている本店には実は小さな守り神が居ます。
名前は「鍾馗(しょうき)」と言います。
鍾馗さんの由来は中国で、唐の時代に遡る実在の人物と言われて居ます。
病の床に伏す玄宗皇帝の夢に登場し、楊貴妃の宝を盗もうとした鬼を退治した。
以来、玄宗皇帝は鍾馗さんの姿を描かせて、邪気を払ってくれると広めたと伝えられます。
その故事から、「鍾馗さんは疫病や魔を払ってくれる」と信じられるようになった。と言われています。
ところで、なぜ鍾馗さんは屋根の上に立っているのでしょう?
文化文政期の文献の中に、こんなエピソードが残っています。
京都三条の薬屋が屋根に大きな鬼瓦を取り付けたところ、向かいの家の女房がそれを見て寝込んでしまった。
取り外してくれと頼んだが断られ、対抗策として鬼に勝つ鍾馗さんを瓦屋に作らせて屋根に乗せたところ、女房の病気が全快した。
これが庶民の間で広まっていったとされています。
どのように中国から伝えられたかは不明ですが、鬼から家を守ってくれる鍾馗さんが、今日も本店で剣を構えて守ってくれています。
本店にお立ち寄りの際は愛嬌たっぷりのかわいらしい鍾馗さんを是非見てくださいね。